ものくろーむ? Part 2 「レトロに見える説」
- 写真部 三田高校
- 2019年2月9日
- 読了時間: 2分

なんだかんだでモノクロームシリーズの続編を執筆するのがずいぶん先になってしまいました。
最近よく「なんでもできる便利な時代になったな~」という言葉を耳にします。それもそのはず、ここ数十年で諸々のテクノロジーは大きく進化しているからです。写真の領域でももちろん同様のことが言えます。写真も以前はすべてモノクロ。色という概念が写真には存在しませんでした。しかも「写真は金持ちの趣味」といった認識があったそうです。撮影する際もちゃんとしたカメラ(一眼レフとか中判カメラとか)を用いていました。それが1970年代あたりでしょうか、カラー写真が普及し、人間の目と同じ像を写真として記録することができるようになったのです。それから当たり前ですが、今では紙のように薄いスマートフォンでいつでも・どこでも・だれでも鮮明なカラー写真が撮影できます。
ではなぜそんな古めかしいモノクロ写真が今もなお使われ続けているのでしょうか。
今回紹介する説は…
1. レトロに見えるから説
これは皆さんもすぐさま思い浮かぶ説ではないでしょうか。
実例を使って紹介していきましょう。
下の写真は筆者がカナダで撮影したクラシックカーの写真です。アメ車ってカッコいいですよね(笑)
RAWで撮影した後、白黒とカラーに現像しました。
まあ、レトロに見えると言ったらそれまでなので詳しくは解説しませんが、よく私たちが目にする「古い写真」はたいていがモノクロームです。「古い物の写真=モノクロ」という小さな概念が私たちの頭の中についているがゆえに、デジタルであってもモノクロで撮影すればレトロなものと連想する、という訳です。しかもその被写体がそのクラシックカーのように実際にレトロなものであればより一層レトロさが引き立ちますよね。
ではなぜレトロに見えるものが今日人気なんのでしょうか。
やはり、普段見ている写真のマンネリ化ではないかと私は思います。最近の写真はどれもこれも端から端までしっかり写って、色も実際に非常に忠実で色再現性が高いです。特筆すべきはSNSの写真かもしれません。一般的に「インスタ映え」と呼ばれる写真を見てみると、加工・編集の嵐。彩度がガンガン上げられ、色飽和も当たり前です。インスタグラムの小さなサムネイル画面でいかに目立つかを追求した結果でしょう。このような彩度の良い写真が劇的に増え、その反動でモノクローム写真がじわじわと注目を浴びているのかもしれません。蛇足ですが、最近ではフィルムカメラもひそかな流行のようです。
この後も続きます。お楽しみに。
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